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皇后たる私が産みしは、神鳳なり(吹き替え)
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00:13天正国皇后藤森美香。私は小宝を授かるため山に登った。そこで思いがけずであったのが人口を介する一羽の黄金の大きな鳥。その鳥は口にうる老いのある玉をひとつ加えていた。鳥は玉を私に落とすと身をひるがえし洞窟の中へと飛んでいった。あと老い洞窟へは入ると壁一面に妊婦の絵が描かれているではないか。私は狂気した。黄金の鳥に示されるがまま三土地にぬかづいた。
00:16宝宮に戻って一月も経たぬうちに私は解任の兆候が現れたのだ。
00:23子が生まれた。
00:39子が生まれた。
00:49ふわふわとした小さなものがいた。まだ生えそろわぬ翼をまたづかせている。豆のような黒い瞳が私を見つめ。また、ちゅっと泣いた。頭の中で何かが起こった。これは王子ではない。生まれたばかりの黄金の鳥の雛だ。
00:50化け物。
00:57皇后様が化け物を御身になった。私の秘討如中である藤森萌えが誰よりも早く反応した。駆けよりその口を塞ぐ。秘討如中、藤森萌え。かっこすい声でかっこ。おだまり。
01:15これ以上誰か一言でも後悔してみよう。舌を引っこ抜くぞ。ヒロマは一瞬にして静まり返った。私の心は血の底へと沈んでいった。私は天正国の皇后。島本金目に突入で3年。ようやく授かった四次。千王朝も高級も皆が私の腹に注目している。その結果が鳥一羽とは。藤森萌えは顔面蒼白で、泣き出しそうに焦っている。皇后様、これからどうなさいますか。
01:35私はその小さな生き物を見つめた。私の視線に気づいたのか、必死にこちらへ這い寄ってくる。小さな頭を私の手首にこすりつけた。温かく柔らかな感触。不思議な温かいものが流れ込み、突き果てた体力が少しだけ回復した。心が強く震えた。その時、ヒロマの外から勘弁の勘高い声が響いた。工場のおなり。島本金目が来た。外で今か今かと待ちわびていたのだ。着難の誕生を。彼にどう説明すればいい。
01:50皇后がお主のために、息子として鳥を産んだとでも、私が彼を裏切り、とんでもない不定を働いたと決めつけるだろう。物の毛と交わり、忌まわしき者を産んだと。そうなれば私だけでなく、藤森家一族ロート、生み名殺しにされる。冷や汗が、再び肌着を濡らした。早く。その鳥を隠して、枕を産着で包むのよ。
02:07藤森萌は慌てふためき。黄金の鳥を掴んでクスの木の箱に押し込め、キリンの刺繍がある柔らかな枕を手に取り、鮮やかな黄色の産着で固く包んだ。広間の扉が、開け放たれる。UFOをまとった島本金目が、大間では行ってきた。後ろには皇太郷、皇太郷、天正国皇帝、島本金目、そして、大勢の女中たちが続く。彼の顔には隠しきれない焦りと、期待が浮かんでいた。まっすぐに私を見つめる。
02:37声は相変わらず穏やかだが、緊張が隠されている。皇后ご苦労だった。王子はどこだ。彼が気にかけているのは息子だけ。私の心は冷え切っていた。私は藤森も描いだ空吹を指さした。王子は生まれたばかりで、体が弱く、眠っている。島本金目の眼差しが柔らぐ。抱き上げようと前に進み出た。私の心臓は喉まで競り上がった。藤森も、絵がどさりたくたまずく。皇上、なりません。爺が申しておりました。
02:58息が完全に止まった。背後に入る皇太后が、しかし何気なく二度咳払いをした。皇帝陛下、王子はお疲れのようです。ゆっくり休ませてあげましょう。皇后陛下も産後でお疲れですから、ここで長居をしてはご迷惑でしょう。ええ、皇上。妹は大手柄を立てたばかりですわ。手厚く報奨をお話になりませんと。王子の1ヶ月祝いには、まだ荒めて賑やかにお祝いに参りましょう。彼女は昔から私とは免住服配。
03:15助け舟を出すような言葉の裏には、探りと疑念が満ち満ちていた。彼女たちは信じていない。私が尻尾を出すのを待っているだけだ。島本金目は、しばし考え頷いた。そうだなぁ。彼は私をじっと見つめる。皇后、ゆっくり休め。火を改めて君と王子に会いに来る。そう言うと、彼は人々を引き連れ者物しく去っていった。部屋の扉が閉まる瞬間、私は全身の力が抜けヘナヘナと崩れ落ちる。藤森萌えも、さらば光り込んだ。
03:36皇后さまは、私たち騙しと押せたんですね。私は力なく笑う。それは始まりに過ぎない。それに神で火は進めないものよ。薄の木の箱の中から、黄金の鳥の不安げな鳴き声が聞こえる。私はもがくように身を起こし箱を開けた。それは小さなくちばしで、焦ったように箱の壁をつついていた。私を見ると、ぴたりと動きを止め、首をかしげて、黒い瞳で私を見つめてくる。藤森萌え。あれを見た宮中の者を全員、始末なさい。私の声は氷のように冷たかった。
04:06一人たりとも生かしてはおかない。藤森萌えはびっくりと体を震わせ、黒いと深くうなずいた。本年級の深夜はひときは冷え込んでいた。私はくすの木の箱を抱きしめ、一睡もできずに夜を明かした。この鳥を産んだときから、私の人生は踏み入れてしまった。後戻りのできない絶望の道に。それから3日間、本年級は平穏だった。私は黄金の鳥に、天原将と名付けた。体はすべてこんじき。頭のてっぺんには、鮮やかな赤い羽根がひとふさ。
04:36お妃様、ご覧くださいませ。あの子、お妃様の腕輪がお好きなようです。藤森萌えが、私の手首を指差した。視線を落とすと、天原将が小さな頭を薄りつけていた。私がとつぐ折に、母上から賜った、陽子力の腕輪に、試しに手首を近づけてみると、途端に興奮し始め、小さなくちばしで、玉の腕輪をコンコンとつづいた。遊んでいるのではない。食べている。心臓が跳ねた。思わず手を引いた。
04:52玉の飾りひとつでも高価なものなのに。ましてや、上質な玉器となれば、毎日玉器を砕いて、鳥の餌にするなど、3日もたたずして、私は狂人として捕らえられるだろう。だが食べ物も取れず、くすの木の箱の中でぐったりしている。天原将を見ると、わけもなく胸が締め付けられる。あの子が何者であろうと、この私の腹から生まれたのだ。私の子なのだ。藤森萌え。蔵にある
04:55?目立たない。玉の飾りや、かんざしを、すべて持ってきなさい。
05:16砕いて、毎日少しずつ与えるのよ。お妃様。生きなさい。一日また、一日と生き延びるだけよ。今の私には、一歩ずつ進むことしかできない。天原将の食糧問題も片付かぬうちに、新たな危機はもう静かに迫っていた。ある日の午後、皇太郷様付きの高瀬婆彩が、礼儀秘を伴い、いそいそしく婚礼宮へとやってきた。皇太郷様へのご挨拶と称して、高瀬婆彩は、かん高い声で石を広げた。
05:36この老いぼれに、見舞いを命じられたのだ。つきましては、皇后様、王子をお連れくださいまし、この老いぼれと貴妃様にも、その喜びをお裾分けいただきたく。やはり、奴らも痺れを切らしたか。心臓が喉までせり上がる思いだった。藤森萌恵は偽りの産気を抱き、その手は汗でびっしょりだ。本宮は、平成を装い皇后として、毅然と構え、ばあやに公開した。本宮とて、嫌なのではない。
06:00ただ、我が子がひどく弱っており、爺から、他人には合わせぬよう言われているのだ。さもなくば、福が逃げてしまうと。ほう、作用でございますか。高瀬婆彩は皇太郷様のお蕎麦遣へ。我々はこの子の処方にございます。どうして他人と言えましょう。それとも、この王子には何か人に見せられぬところでもあると。だからこそ、皇后である妹は、そうして隠し立てを。その言葉は、毒針のように、私の胸に突き刺さった。貴妃様御言葉を慎まれよ。
06:26殿下は天使の血を引くお方、あなたなどに怪我されてなるものですか。ブレイシャ。下僕の分際で主に立てつくか。誰かこやつの口を打て。私は思わず立ち上がった。高瀬婆彩。藤森萌は本宮の者だ。本宮がまだ死んでもおらぬのに。そなたに罰する権利などない。それとも、そなたは本宮古の皇后よりも尊いとでも申すか。別荘もございません。しかし皇后様、この老いぼれを困らせなさいますな。
06:47本日この王子には、この老いぼれが必ずや、お会いせねばなりません。場の空気は一触即発となった。この場を逃れることはできぬと悟った。奴らの得意気な顔を見ていると、心は絶望に包まれた。まさか奴らにこの枕を見せるしかないというのか。君主を欺くは大罪。どう死ぬかさえわからぬほどの、頭が真っ白になり、抵抗を諦めかけたその時、高く鋭い鳥の鳴き声が、突如内伝から聞こえてきた。その場にいた全員の顔色が変わった。
07:06妹の婚姉急には。いつから鳥など飼うようになったのですか。私は渇いた声で弁明する。自分でも信じられないような言い訳を、おそらく外の野鳥が迷い込んだのでしょう。そうですか。ならば隅々まで探さねばなりませんわね。万一お体の弱い王子を驚かせでも、したら大変ですもの。
07:36そなたら何をしておる。そなたら何をしておる。
07:56どうした?ひどい顔色だぞ。礼儀が割り込むように口を開いた。工場にお答え申し上げます。私と高瀬馬彩は、皇太后様の御命令で王子のお見舞いに参りました。ですが皇后様が何かと理由をつけて乙女になり、お会いさせてくださらないのです。それに、私には聞こえました。しんがり討ちから、ひみょうな鳥の鳴き声が、様子を確かめようと中へ入ろうとしましたところ、それもお許しになりませんで、私には開目検討もつきません。皇后様が何をそこまでご懸念されているのか。
08:24島本様は、眉間に深くシワを寄せた。その視線が、私に向けられる。皇后、きひの申したことはまことか。なんといえば、ないと、あの鳥の鳴き声は、あの方も聞いたはず。あると、そして部屋を探させる。枕と、黄金の鳥が見つかってしまう。工場、やっとの思いで口を開いた。私はただ案じて、声がかすれる王子の恩美を。もうよい。生まれたばかりの赤子が、実の祖母と義理の母にさえ会えぬほどか弱いとでも、藤森美香、そなた一体何を企んででおる。
08:30あの方が、私を生命で読んだのは初めてだった。なのに今は、あの方は私を藤森美香と。工場、私の目は、みるみるうちに赤くなった。私をお信じになりませんか
08:43?世がどうしてそなたを信じられよう。そなたと秘々が不仲なのは知っておる。だが王子に関わることだ。世はそなたにつまらぬ気まぐれは起こしてほしくない。今日、そなたは母上とき火に王子を会わせねばならぬ。これは有無を言わさぬ命令だ。霊気比の顔に勝利の笑みが浮かぶ。
09:06私は島本金目を見つめる。やはりこの人は、私を少しも信じていなかったのだ。いいでしょう。工場がご覧になりたいのであれば、お目にかけます。萌え、王子をこちらへ。工場寺ひさまによくお見せしなさい。ひさま。こちらへ。萌えは歯を食い縛り涙をこらえ、偽りのおくるみを抱き、一歩また一歩と広間の中央へと進んだ。全員の視線がおくるみに注がれる。期待好奇心、そして他人の不幸を喜ぶ視線。島本金目の眼差しが最も複雑だった。
09:25おくるみを食いるように見つめ、それを見透かそうとしているかのような。お、あけ。私は目を閉じち、いさく呟いた。これから起こる光景はもう想像がついている。枕が露見し、君主を欺いた罪が確定する。私は妃を敗され、霊宮送りとなる。藤森家は一族労働残首。霊気費が最大の勝者となる。これでいい。すべてを悪う。萌えが震える手で、黄金色の錦の布を一枚また一枚と剥がしていく。時間がこの瞬間止まったかのようだった。
09:52彼女が抱いているのは、キリンの刺繍が施された枕ではなく、本物の、玉のように愛らしい赤ん坊だった。その子はぐっすり眠っていて、頬はほんのり赤く、小さな口をもぐもぐさせている。たまらなく可愛い。ありえない。私ははっとないでに目を向けた。枕は、天原将はどこ
10:00?頭が真っ白になった。我が子は子だ。島本加入が真っ先に我に帰った。その声は、失ったものを取り戻した狂気と興奮に満ちていた。飛ぶように駆け寄り、
10:26壊れ物を扱うように赤ん坊を受け取る。俺の息子だ。俺の後次だ。彼は赤ん坊を抱き、満面の笑みを浮かべた。見ろ、俺にそっくりだろう。特にこの鼻、この眉毛、まるで俺通り二つだ。霊気使と高瀬場彩の顔は、またたくまに鍋の底よりも黒くなった。彼女たちには、こんな結末は想像もつかなかった。ありえない結果だった。そ、そんなありえない。霊気比は声を失い呟いた。キビ、今なんと。
10:50島本要の笑みが瞬時に消える。冷たい視線が彼女に突き刺さった。霊気比は恐怖に震え、慌てて頭を下げた。いいえ何も。王子は気品に満ち溢れ。まことに天の恵みかと。島本要は冷たく鼻を鳴らし、彼女を無視した。子供を抱いて私の前に歩み寄ると、その顔から氷のような冷たさは消え、優しい夫の顔に戻っていた。ミカ、すまない。俺が悪かった。君を誤解していた。俺たちの子はこんなに健康で可愛いのに。
10:54さっきは君を疑ったりして、私は呆然と彼を見つめた。彼に
10:55?抱かれた見知らぬ赤ん坊を見つめ、一言も発すること
10:58?ができなかった。一体どういうこと
11:00?この赤ちゃんはどこから?私の天原翔はどこに
11:13?その時、視界の隅で内電のカーテンがそっと揺れるのが見えた。金色の小さな頭がひょこっと顔を出す。天原翔だ。黒豆のような瞳を私に向かって、こっそりとまたたかせ、すぐにまた引っ込んでしまった。心臓が激しく高鳴る。
11:14まさかこの赤ちゃん、あの子が化けさせたの?島本カナメの謝罪が、婚礼宮に立ち込めていた暗雲を吹き払った。彼はその赤子を腕に抱きて放そうとしない。私への疑いも冷たい態度も、すべてが倍の罪悪感と憐れみに変わったようだ。霊気師と高瀬バーヤは、完全に墓穴を掘った形だ。すごすごと引き上げていった。さり際の霊気費の毒を帯びたような眼差しが、体に穴が開きそうだった。わかってる。これでうり捨てーふっかまった。
11:45でもそんなこと気にしてる場合じゃない。頭の中は、どこからともなく、現れた赤ん坊のことでいっぱいで、それにミスの向こうから見えた天原賞の人の心を見透かすようなあの眼差し。島本カナメを見送った後、すぐに藤森も、縁伝の扉を閉めたような眼差しが、体に穴が開きそうだった。わかってる。これでうり捨てーふっかまった。でもそんなこと気にしてる場合じゃない。頭の中は、どこからともなく、現れた赤ん坊のことでいっぱいで、それにミスの向こうから見えた
12:07目にはいたのは、床に無造作に捨てられた偽装用のクッション。くすの木の箱の中、天原賞が中にうずくまっている。ぐったりしているみたい。頭のてっぺんの、あの真っ赤な旗場が、少し色あせてしまっている。天原賞。駆け寄って、そっと手のひらで包み込んだ。力尽きたかのように、私の手のひらにすり寄ると、目を閉じ、深い眠りに落ちた。奥様、一体どういうことですか。後ろには藤森も書いた。声は震えている。
12:08あの子はどこから?まさかこの小鳥が化けたとでも。彼女はそれ以上言葉を続けられなかった。私も同じだった。鳥が何もないところから、生身の赤ん坊に化けるなんて、とっくに私の理解を超えている。人間の仕業じゃない。術よ。恐ろしい考えが頭をよぎる。私が産んでたのは、ただの鳥ではない。神か、あるいは妖怪。どちらにせよ。私、藤森美香とこの子は、生まれた時から、この世俗と相入れないということ。私の心は嬉しくもあり、恐ろしくもあった。
12:56一日を超えた力がひとたび露見すれば、国を欺いた竜見どころではない。もっと恐ろしい最悪を招くということ。藤森方、私は深く息を吸い込んだ。無理やり冷静さを取り戻す。今日のことは、胸の内にしまっておいて、誰にも話しちゃいけないわ。あの子は、私たちの子、王子よ。廃止殿下。藤森方は、深くうなずいた。その日から、コンネーミヤには、本当に一人の王子が存在することになったし。ママトヨは、ほとんど毎日、
13:26コンネーミヤ、ヘイトしい息子に会いに来た。ヘンバラ将が化けた赤ん坊は、事のほか、手がかからなかった色白で、まるまると太り泣きも騒ぎもしない。誰に抱かれても笑っていたし、ママトヨは、見れば見るほど、その子を気に入っていった。それに伴い、私への態度も、ますます甘くなっていった。私は、白井に、後宮で、明日、私の心は日増しに重くなっていく。ヘンバラ将が、赤ん坊につい、
13:29ママじゃ、あの、とは死んでしまう。死なせるわけにはいかないわ。でもどこでそんなに多くの
13:31?玉石を手に入れればいいの
13:31?宮中の?玉器はすべて記録されているし、勝手に持ち出すなんて不可能だわ。宮外で買うの
13:35?なんて持っての?ほか、この、私高校でありながら、気安く工具を出られるはずもない。私は、焦り入れも立ってもいられなかった。夜も、ろくに眠れずにいた。そんなある晩、空っぽの宝石箱を前に途方に暮れていると、
13:51不意に目を開けた。泣き声ひとつ立てず、ただじっと私を見つめている。その眼差しは赤子のものではなかった。どこまでも澄み渡り輝いていて、まるで私を安心させるかの
13:56?ように。そして優斗は、ふくふくの小さな手を伸ばし、部屋の外を指さした。私はハッとした。外にあるとそう言いたいの
13:57?優斗は、パチリと瞬きをする。それが答えであるかの
13:59?ように。外には物々しい窮壁と巡回の
14:01?他に何があるというの?
14:19あの子が指す方を見てみると、そこは光宮の北西の角。近天間と、高架増幅角のある方角だった。心臓が大きく跳ねた。増幅角には、歴代の皇帝陛下が集めた、奇心違法が収められている。そこなら数え切れのほどの欲積があるに違いない。けれどあそこは警備が厳重で、無数のからくりが仕掛けられている。この私ですら無理なのに、生え一匹入り込む隙もないのだから。天原将は、私に盗めと、そんなのありえない。
14:28首を横に振ろうとしたその時、ゆりかごの中の島本優斗が、口をへの字に曲げた。今にも泣き出しそうな顔。私の心は揺らいだ。そうよ。盗みに行かなかったら、天原将が飢え死にするの
14:30?お肌見ていろって言うの?その道死ぬなら、糸か鉢かやってみるしかない。私の眼差しは瞬時に固まった。いいわ。ママが食べ物を探しに行ってあげる。深夜、私は忍びの服に着替え、天原将をそっと懐に抱いた。藤森も、
14:46目が心配して、どうしてもついてくるという。奥様、そのようなお方が、どうしてこんなことを、この次女にお任せください。あなた、道も知らないの
14:47?にどうやって、行くの?私を連れて行って、天原将が何か役に立つかもしれない。直感だけど、天原将が造宝角へ行けと言ったの
14:59?は、決して、死にに行けということじゃないはず。月明かりを頼りに、私たち宗は、二つの亡霊のように、巡回の護衛たちを音もなく避け、造宝角へと忍び寄った。
15:18造宝角は、九十の塔だ。夜の闇に、荘厳とそびえ立っている。塔の外は散歩に一人の衛兵、五歩に一人の見張りが立つ限界。大勢、しかも全員がキングの精鋭だ。秘伝かどうやって中へ。藤森萌えの声は震えていた。鉄壁の守りを前に、私も啓発されていた。その時だった。懐の天原将が、不意にみじろぎした。襟元から小さな頭を覗かせ、九十の塔に向かって、とても歯細く、
15:40小さな鳴き声を発した。ほとんど聞き取れないほどの声。だが、その鳴き声が上がった瞬間、固く閉ざされていたはずの造宝角の原鉄の門が、カチャリと音を立て、音もなく、一畳の隙間を開けた。私と藤森萌えは、呆然とした。造宝角の門に、人一人が、やっと通れるほどの隙間が開いている。隙間の向こうは、そこ知れない闇だ。秘伝か、これは。藤森萌えが私の腕にすがりつく。声は泣き出しそうだ。
16:01彼女の恐怖が伝わってくる。私自身も心が打ち震えていた。これはもはや単なる術などではない。神の御業。腕の中の天原翔が、またチュンと鳴いた小さな頭で、俺の顎をコツンとついてくる。まるで急かさているようだ。俺は深く息を吸い込み、胸に渦巻く劇場を抑えつけた。ここまで来てしまった以上、もう後戻りはできない。行くぞ。俺は藤森も絵の手を引き、歯を食いしばって、扉の隙間へ飛び込んだ。
16:19あたりは、一寸先も見えない暗闇に包まれる。ただ塔の頂にあるルリ窓から、差し込むかすかな月明かりが、かろうじて物の輪郭を浮かび上がらせているだけだ。だが鑑賞に浸っている暇はない。狙いは玉石のみ。天原翔、餌はどこだ。小声で尋ねる。腕の中の天原翔は、途端に興奮し、服の襟元から飛び出すと、小さな翼をバタつかせ、おぼつかない様子で、一つの方向へと飛んでいく。
16:39その飛び方はゆっくりで、そして低い。まるで金色の小さな提灯のように、俺たちの進む道を照らしている。俺たちはその後を覆い、ずらりと並ぶ背の高い飾り棚の間を抜けていく。そして塔の中央へとたどり着いた。ここには、別世界が広がっていた。弾玉を丸ごと一つ掘って作られた池。池に水はない。色とりどりの玉石で埋め尽くされている。白、緑、紫、赤、月光を浴び、しっとりと生めかしい光沢を放っている。なんてこと。
16:59藤森萌は口を覆い、辛うじて悲鳴を飲み込んだ。俺は池いっぱいの玉石を見て、同じく驚きで声も出なかった。これは一体どれほどの価値が、天原翔が数百年枠っていけるだろう。天原翔は待ちきれないようだ。玉石の山に勢いよく飛び込んだ。そして小さなくちばしを開き、拳ほどの大きさの極上の翡翠を力いっぱいに対バンだ。ガリッという音がした。あの値千金の翡翠があいつに一片を砕かれ、
17:18三口で飲み込んでしまった。食べ終わると満足げにゲップまでした。俺はその光景に顔が引きつった。だがもともとくすんでいた奴の羽が、翡翠を食べた途端、目に見える速さでまばゆい輝きを放ち、体もひと回り大きくなったのを見ると、もったいないという気持ちは一瞬で吹き飛んだ。天原翔は嬉しそうに食べている。だが俺はのんびりしてはいられなかった。懐から用意していた布袋を取り出す。夢中で宝石を詰め込み始める。
17:38小さくて質のいいものだけを選んで、藤森萌えもわれに帰って手伝い始める。あっという間に大きな袋、二つがパンパンになった。お妃様、もう十分十分だって。藤森萌えが私を引き止める。これ以上は持てないって。早く行かなきゃ。私はうなずいた。宝石で満たされた池に名残惜しそうに一別した。天原翔、行くよ。天原翔がゲップをした。満足げに宝石の山から飛び出し、再び私の懐に潜り込んだ。
17:57ずっしりと重い袋を背負い来た道を戻った。出口まで来ると、また胸が騒ぎ始めた。この扉どうやって出るのよ。私の考えを読んだかのように、天原翔がまた小さな頭を出し、大門に向かって、ちゅんと鳴いた。黒金の大門が再び音もなく開いた。私たちは素早く抜け出した。今年急に戻った頃には、東の空が白み始めていた。私と藤森も、えは疲ればてその場に崩れ落ちた。しかし、あの二つの袋を眺めると、
18:17莫大な価値がある宝石。心は、今までにない満足感で満たされた。だが、私の喜びも束の間だった。翌日の昼、衝撃的な幸せが、工具中に広まった。雑宝閣に盗みが入った。昨夜当直だった数十名の警備員が、全員何に取り憑かれたように、持ち場で意識を失うほど、眠りこけていたらしい。彼らが目を覚ました時、雑宝閣から、最高級の宝飾品一式が消えていた。島本がなめは激怒し、
18:20工具全体が一瞬にして緊迫した空気に包まれた。私は懇念急で、外の
18:26?騒がしさに耳を澄ます。手のひらは冷や汗でびっしょりだ。どうしてこんなことに。天原将なら誰にも気づかれずに扉を開けられるはずじゃなかったの
18:28?なんでバレちゃったの
18:37?奥様、どうしましょう。私たちまで捜査の手が及んだら。藤森萌恵は、恐怖で顔が真っ青になっている。大丈夫よ。私は無理に平静を装った。私たちのやり方は完璧だったはず。誰にも見られてないわ。
19:05お願いします。皇后様。野村勇太は、無表情で教師の礼をした。真っ青工場の何より、高級を徹底的に調査いたします。どうか、吉奈にお墓えを。心臓が喉まで競り上がってくるようだった。あの二つの大きな玉石の袋は、私の寝台の真下に隠してある。野村勇太の眼差しは鷹のように鋭い。彼が勤軍を率いて、根根急に足を踏み入れた瞬間、空気が凍りついたかのようだった。野村殿、本宮の居所に、
19:06何か調べることなどあるのかしら?私は、皇后の座に毅然と腰掛け、声を平静に保つよう努めた。三職のみであるが、弱い本宮が、まさか雑宝閣に忍び込み、盗みを働けるとでも大思い。だが野村勇太は動じない。事務的に教師の礼をすると言った。皇后様のおっしゃる通りです。しかし、これは工場のご命令、高級のすべての宮を、一つ残らず調査せよとのお出しゆえ。末章は、ただ命令に従っているまでです。
19:55袖の中で、固くくんを握りしめていた。ベッドの下にある、翡翠のは、いった二つの大きな袋が、まるで二つの次元爆弾のようだ。無理に止めれば、さらに疑われる。止めなければ死ぬしかない。思考が高速で回転する。だが、打開策は何も見つからない。藤森萌恵は、私の後ろで、恐怖に顔を真っ青にしている。探せ。野村勇太が手を振ると、後ろにいた金軍がさっと散開した。
19:56腰よか?がめてベッドのカーテンをめくり上げようとしたその瞬間、突如赤ん坊のけたたましい鳴き声が、ゆりかごか
20:13?ら響き渡った。ゆうとだ。あの子はいつもありえないくらい大人しかったのに、これが初めてだ。こんなに天地を揺るがすほど泣くなんて。一瞬にして、皆の注意を引いた。ベッドを調べようとしていた。二人のこの衛兵でさえ、動きをとどめ振り返る。ゆうと、わらにもすがる思いだった。すぐに立ち上がり、
20:30ゆりかごへと駆け寄る。あの子を抱き上げた。いい子よ。泣かないで。母さんがいるからね。不器用に怪しながらも、心の中では激しい嵐が吹き荒れていた。天原翔だ。彼が私を助けてくれている。腕の中のゆうとは、相変わらず、息もたえ大に泣きじゃくり、小さな顔を真っ赤にしている。あの子を抱いたまま私は振り返り、冷たい視線で野村ゆうたを見据えた。野村隊長、ご覧の通りよ。
20:36あなたたちがこんな大黒なことをして、本宮の王子を怖がらせてしまったわ。この子はまだ生後1ヶ月なの。もし、あなたたちのせいで何かあったら、責任を取れるのかしら
20:49?私の声は、母親としての怒りと、恐怖に満ちていた。これ以上ないほど真に迫って、野村ゆうたの顔色が変わった。王子を怯えさせた罪は、国庫窃盗の罪にも劣らない。彼はためらった。皇后様、お祝いをお静めください。彼は眉を潜めた。
21:07言葉も終わらぬうちに、ゆうとの鳴き声はさらに凄みを増し、引き付けまで起こし始めた。私はぎょっとした。慌てて彼の鼻息を確かめる。幸い息はまだあった。分かっていた。これが霊才なりのやり方で、私にさらなる圧力をかけているのだと。野村ゆうた。私は完全に観忍袋の尾が切れた。彼の鼻先を指さし、冷静でいい話した。次にこの婚姉宮で無礼を働きたら、本宮は今すぐ王子を抱いて禁断殿へ行くわ。
21:26工場にお尋ねするためにね、工場の天下国家が大事なのか。それとも、ご自身の着難の命が大事なのかと。本宮の前から失せよ。この賢幕は普段の私である。しとやがで賢明な皇后というイメージとは、まるでかけ離れていた。しかし、我が子を守ろうと必死な母親の姿を、見事に浮き彫りにしていた。野村ゆうたは、私の一括に、あっけに取られ、私の腕の中で、息も絶えよ、となく、赤ごと。私の欠然とした表情を見比べ、
21:56その眼差しはついに揺らいだ。彼は利害を顕便にかけた。贈報格の窃盗事件の捜査は職務だ。だがそれで生まれたばかりの王子に害が及べば、皇帝陛下から音が目を受けることになる。首がいくつあっても足りない。抹消の双敬でございました。結局彼は妥協を選んだ。私に心身と一礼した。殿下をお騒がせしてしまいました。偽殿下何卒お許しください。行くぞ。彼が手を一振りすると、この衛兵を率いし、尾が引くように、
22:19しばらくして、私はふっと笑ってしまった。笑っているうちに涙があふれてきた。いい子ね。ありがとう。まただ。また。この子に救われたんだ。藤森も絵も駆け寄ってきた。二人は抱き合って、泣き笑いした。危機は一時的に割ったけれど、私の心は少しも軽くならなかった。野村雄太は去ったものの、疑いの種はもうまかれてしまった。王子を盾にする口実で、一度は追い払えた。でも二度目は通用しない。あの二袋の玉石どうにかして処分しなきゃ。
22:41地面に埋めるか。工具全体が金軍の魔化鹿にあるのに。そんな隙、あるわけない。湖に捨てる。かえって見つかりやすいわ。一番中悩んで眠れなかった。よく朝、目の下にひどいクマができていた。天原将が満足そうに、極上の和打曲をかじっているのを見て、ふととんでもない考えが頭をよぎった。問題は元から立つしかない。雑宝角から取った玉石なら、一番いい処分方法は元に戻すことだ。その考えに自分でもゾッとした。無謀すぎる。
23:02今の雑宝角は、きっと厳重な警戒態勢が敷かれているはず。警備は以前の10倍じゃ済まないだろう。今行けば、自らは何か借りに行くようなもの。でもこの方法以外に、他にどうしようもない。工具に玉石を置いておくなんて。次元爆弾を二つ抱え込んでいるのと同じだ。腕の中でまたぐったりし始めた。天原将を見て、ゆりかごで静かに眠る島本雄人に目をやる。歯を食い縛った。やってやる。この子たちのために。腹をくくった。
23:14今回は藤森萌えは連れていかない。二人だと目立ちすぎる。一人で二袋の玉石を体に分けてくくりつけた。ずっしりとした重みで、腰を伸ばすこともままならない。そして天原将をそっと肩に乗せた。天原将、頼んだぞ。チュッ
23:25!天原将が一声泣いた。答えるかのように、深く息を吸い込み、窓を押し開ける。不器用な袋のように、深い夜の闇へと消えていった。思った通りだ。ここの警備は、上記を逸していた。人数は倍増。
23:31塔の頂上と周囲の暗がりには、いてまで潜んでいる。月山の陰に隠れ、この物々しい婦人を前に、血の気が引いた。どうやってはいるんだ
23:42?天原将もことの重大さに気づいたらしい。俺の肩の上をイラダ。たしげに歩き回る。小さな頭をキョロキョロさせ、あたりをうかがっている。不意に動きをとどめた。雑宝角の頂上に向かって、一声。かんだかい鳴き声をあげた。キー
23:55!その声はもはや、いつものかぼぞい鳴き声ではない。
24:11巡回や待ち伏せをしていた衛兵たちは、強い光に目が眩み、まともに目を開けていられなかった。仕掛けだよ。現場は一瞬にして大混乱に陥った。この隙に天原将が、俺の肩からひらりと飛び降り、金色の光とかすと、稲妻のごとき、速さで雑宝角の大門へと突進した。また、カチャリと音がした。原鉄の大門が音に応えるように開いた。早く
24:15?幼くそれでいて澄んだ声が直接俺の脳内に響いた。全身に衝撃が走る。
24:37天原将だ。俺に話しかけている。深く考えている暇はなかった。歯を食いしばって、重い玉石を背負ったまま。人生最速のスピードを出し、雑宝角に駆け込んだ。俺の背後で大門が再び閉まった。扉に寄りかかり荒い息を弾ませる。君離せるようになったのか。再び、俺の肩に戻ってきた天原将を見つめ。声は震えていた。共謀が激しい。天原将の声が再び脳内に響く。簡潔だがまといた言葉だ。なるほど。
24:56話せないわけじゃないんだ。ただ、莫大なエネルギーを消耗するだけなんだ。さっきの鳴き声と夜明け玉を操ったことで、明らかにかなりの力を消耗したんだろう。これ以上グズグズしてはいられない。急いで身につけていた袋を外し、玉石をすべて玉の池へと戻した。取り戻した玉石に目をやる。ようやく胸を撫で下ろした。よし急ごう。と私は急かした。だがその時だった。2階から土星が響き渡る。何者だ
25:07?その直後、
25:27野村勇太もまさか、ここで私に会うとは思っても見なかったようだ。彼は一瞬目を丸くしたが、すぐに私の黒消毒と床に転がったからの袋に気付くと、顔色がみるみるうちに変わった。皇后様。その声には信じられないという響きがあった。あなた。終わった。現行犯で捕まった。今度こそもう王子を盾にすることはできない。一歩また一歩と迫りくる。彼を見つめる。その氷のような表情にさっきが宿っていた。分かっている。
25:48彼には私をその場で始末する権限がある。無意識に肩を寄せ合う天原将をかばっていた。死ぬのは怖くない。でも、天原将はまだこんなに小さいのに。野村勇太、私は深く息を吸い込むと、かえって冷静になった。私がやった、捕らえるなり殺すなり、ご随意に、ただお願い、あの子を見逃して、私は肩の上で、緊張した面持ちで、野村勇太を見つめる黄金の鳥を指さした。野村勇太の視線が天原将に注がれる。そして、前を潜めた。
25:49鳥一文か?明らかに、天原将を相手にしていない。皇后様、ことここにいたって、まだ言い逃れをなさるおつもりか
26:18?抹消と共に、来ていただこう。そう言うと、私を掴もうと手を伸ばしてきた。その手が私に触れる寸前、天原将が再び感高い鳴き声を上げた。今度は怒りに満ちていた。一個の灼熱の木の波が、その小さな、体を中心に激しく巻き起こった。野村勇太は不意をつかれ、木の波に真正面から吹き飛ばされた。
26:40小さな体から眩い金色の光を放つ。周りの空気は高温で歪んでいる。頭の赤い羽はまるで、本物の炎のように燃え盛っている。太古からの恐るべき威圧感が、一瞬で造砲覚全体を包み込んだ。野村勇太はその威圧に立つことさえできない。地面にはいつくばり震えるしかなかった。俺はその威圧の影響を受けなかったが、翔の今の姿には驚きのあまり言葉も出なかった。これがこいつの本当の姿なのか
26:41?翔が次の攻撃を仕掛け、
27:02野村勇太を灰にしようとしたその時、俺は叫んだ。やめろ翔。ダメだ。野村勇太は、死なせるわけにはいかない。あいつは島本要の腹死んだ。同胞覚で俺の目の前で死んだら、島本要は必ず徹底的に調べるだろう。俺の声に、翔の体から発する金色の光が一度また焚いた。そして振り返り、うっすらと金色を帯びた。瞳で俺を見つめた。この眼差しは不満と戸惑いに満ちていた。あいつは、悪いやつ。
27:21分かってる。俺は首を横に振った。だが殺しちゃダメだ。翔の体の光が徐々に弱まっていく。不満そうだったが、結局俺の言うことを聞いた。そして、再び俺の肩に舞い戻ってきた。ほっと息をついた。だが、この目の前の惨状を、どう収集すればいい。野村勇太は死んでいない。けれど、重傷を負っている。彼はもう、天原翔の正体を見てしまった。私たちを、このまま見逃してくれるだろうか。私は彼を見る。彼も私を見ている。
27:26その眼差しは何とも言えず複雑だった。恐怖と驚愕と、それに私には読み取れない何かがかすかに混じっていた。君は
27:33?彼は、もがきながら起き上がろうとする。口元の血を拭い。君が生んだのは、一体何なんだ
27:43?野村勇太の声は、かすれて震えていた。彼は私の肩にいる、天原翔を食い入るように見つめている。その目は、もはやただの鳥を見るものではなかった。まるで髪を見るような目立った。心臓が口から飛び出しそうだった。
28:02どう答えるべきかわからない。結局、私は一番正直な答えを選んだ。私にわかるのは、あの子は私の子供だということ。私の声はとても小さかった。けれど、妙に欠然としていた。野村勇太は黙り込んだ。彼は私を見て、そして私の肩の上で、全ての光合しさを収め、ただの黄金の鳥に戻った。天原翔に目をやった。長い沈黙の後、ふーっと長い溜息をついた。神皇様。彼が再び口を開いた。その声には、
28:22拾うと意見の念がこもっていた。今宵のことは、この抹消何も見ておりませぬ。私は呆然とした。あの精錬潔白なこの絵隊長が、まさか私のために、ために隠蔽してくれるとは、王朝を揺るがしかねないこの秘密を。なぜ。私は真鍮の疑念を口にした。野村勇太は苦笑した。その視線は、私を通り越し、雑宝閣の奥へと向けられた。壁には古い絵巻がかかっている。そこには天空を舞う金色の鳳王が描かれていた。
28:52宝王の下には、ヒレフス三線と万民の姿があった。それは天正国建国寺に伝わった生髄だ。伝説によれば、天正国の建国寺、皇帝陛下は、神宝の助力を得て、ようやく天下を平定し、国を起こしたという。神宝は、天正国の守護神なのだ。ただ数百年が経ち、伝説はとうに物語と化していた。宝家の秘伝によりますと、野村勇太の声が静かに響いた。神宝に降り出す時、国の命令は長く続くと、
29:11何か伝説の深田だったとは。言ってください奥様。野村勇太は、私に背を向けた。外がまだ騒がしい今うちに。早く、ここは俺に任せろ。彼の大きくて、どこか寂しげな背中を見つめる。胸に様々な感情がこみ上げてくる。ありがとう。私は、彼の背中に向かって、深く頭を下げた。もう迷わず、天原将を連れて、夜の闇へと姿を消した。今年急に戻り、私は一睡もできなかった。野村勇太の言葉と、
29:40天原将の本当の正体。その二つが大きな山のように、心に重くのしかかる。島本金目は、支配欲が異常なまでに、強い帝王だ。彼は決して許さないだろう。自身の貢献を脅かす者や事物を、たとえそれが神であっても、たとえそれが実の息子であっても、もし彼が天原将の正体を知れば、まずすることは、神として崇めることじゃない。抹殺だ。そう考えただけで、全身後の毛が引いた。もっと慎重に天原将を守らなきゃ、
29:58私重傷を負ったものの、やはり賊には逃げられてしまったと。盗まれた玉器については、賊が慌てふため、寄贈奉角に捨てていったらしい。島本陽は、金軍の無能さに激怒したものの、国庫に損害がなかったため、それ以上の追求はなかった。ただ野村勇太を降格させ、半年分の崩録を没収し、屋敷での禁止を命じたに過ぎなかった。良くも悪くもない、そんな結末だった。分かっていた。それが野村勇太が、
30:28私にしてやれる精一杯のことだと。自らの未来を犠牲にし、私と天原掛けるの無事を守ってくれたのだ。こうして騒動は、収束したかに見えた。私の生活は、かつての穏やかな日々に戻った。相変わらず、私は四次の母として、熱い長愛を受ける皇后陛下だった。本年級の内伝は、私と天原掛けるの秘密の楽園となった。雑宝角の玉石を食べてからというもの、天原掛けるの成長は驚くほど早かった。わずか半月で、
30:47幻術で花火を作り、私に見せてくれる。あの子はもうただの私の子供ではない。私の友であり、私の支えなのだ。天原掛けるが化けた島本勇太も、日一日と大きくなり、寝返りを打つようになり、ああううと母上を呼ぶようになった。島本金目が会いに来る度に、あの子は、ことさらり校に振る舞い、島本金目を大いに喜ばせた。すべてが美しく穏やかだった。その平穏さに、私は忘れかけていた。私たち、親子が歩いているのが、
31:04危険な綱の上だということを、島本勇太の百日祝いまでは。島本勇太の百日祝いは、空前の規模で盛大に取り行われた。工具は隅々まで華やかに飾り付けられ、祝いの雰囲気に満ちていた。各国の施設に、王公貴族たちが次々とお祝いに駆けつけた。島本金目は島本勇太を抱き、高い玉座に座り、万国からの調和を受けていた。誇らしげに顔を好調させて、彼は、しきりに私へと杯を掲げ、
31:34その眼差しに宿る愛情と、誇りはあふれんばかりだった。皇后陛下、君は陳のため、天正国のために、第一の子を立ててくれた。彼はみんなの前で、高らかに宣言した。陳は君を、この世で最も尊い女性にすると。私は微笑んで、杯を掲げて応じた。だが心の中は氷のように冷え切っていた。最も高貴な女、もしあの人が知ったら、腕に抱かれている自慢の貴難様が、ただの幻影に過ぎず、本当の四次は、今この瞬間、
32:04三浦将が、奇妙な贈り物を献上した。人の頭ほどの大きさの、漆黒の石だ。その石には、天然の炎のような、赤い模様が浮かんでいる。絵か。これは我が炎陽国の、生物、奮神石奮神石にございます。都市神は、うやうやしく述べた。巡洋の、火の霊力を持つ者が近づけば、赤い光を放ちます。その霊力が純粋であれば、あるほど、光はより一層燃え盛るように輝くのです。本日は、
32:26お、このような奇跡があったとはな。誰か、王子を近くへ、我が王子の火の徳とやらが、どれほどのものか見せてもらおうか。半顔が恐る恐る抱きかかえ、島本雄斗を粉塵石の前へと連れて行く。私の心臓は、喉まで競り上がった。天原将は信奉、火を司る子孫の存在。それが化身した赤子が、この石に反応してしまうのでは。私は緊張しながら石を凝視した。手のひらは汗でびっしょりだ。だが、
32:44時間だけが刻一刻と過ぎていく。漆黒の意志は何の反応も示さない。まるで、ただの石ころのようだ。王殿に、ざわめきが広がり始める。炎陽国の使者、三浦昇の額に、冷や汗が滲む。そんなはずは、粉塵石が間違うことなど、一度もなかったのだ。島本要の表情が、徐々に険しくなっていく。火の毒など、彼にはどうでもいいことだろう。だろうが、諸国の施設団の前で、メンツを潰されるのは、我慢ならないのだろう。
33:00これがそなたの有生物とやらか。その声には不快感が滲んでいた。三浦昇はその場でどさりと跪いた。全身をわなわなと震わせる。栄華を命だけは。少し離れた席で、霊気比が、人の不幸を嘲笑うかのような笑みを浮かべていた。彼女はグラスを掲げ、遠くから私に合図を送る。その目はまるで語りかけているようだった。藤森美香、あんたの幸運も、ここまでよと。私はそんな彼女を無視した。頭の中は、なぜ
33:01?という疑問でいっぱいだった。
33:20なぜ滝神石は反応しないのかと。訳がわからずにいると、その時、大きな袖の中が、不意に焼けるように熱くなった。思わず視線を落とすと、田元に隠していた、天原かけるが目を覚ましたのだ。小さな体から淡い金色の光が放たれ、黒豆のような瞳が、じっと滝神石を見据えている。その眼差しは、渇望と怒りに満ちていた。食べたいんじゃない。あの石に挑発されているんだ。その瞬間、稲妻のように、一つの考えが閃いた。
33:42この石は火玉を感知するだけでなく、吸収することもできるのだと。石が反応しなかったのは、もっと兄弟で、純粋な火玉の源を感知したから、天原かけるを。石は天原かけるを挑発している。姿を現すよう誘い出し、その力を推力すつもりなんだ。そう悟った瞬間、全身後の毛が引いた。なんて悪辣な策。炎陽国の使者は、献上のために来たのではない。真珠を借りに来たのだ。はっと顔を上げ、床に跪く使者に目をやる。
34:00だが、その目の奥には、狡猾さと期待が渦巻いていた。陛下、私は勢いよく立ち上がった。陛下、この石は真に不吉なものと存じます。王子様は天命を受け、死竜の子、そのお体は板金にも変え難いもの。このような得体の知れぬ蛇仏で、軽々しくお試しになるなど、あってはなりません。私が思いますに、いっそこの石をその場で打ち砕き、もって人々の目を覚まさせ、我が天上国の国運が汚されるのを防ぐべきかと、
34:26私の声は冷たく欠然としていた。王殿の隅々まで響き渡る。皆呆然としていた。島本要は眉を潜めた。皇后、お前。陛下、炎陽国の写真に裏昇るは、焦り、大声で叫んだ。なりません。これは我が国の生物。お壊しになるなど。皇后様、なぜこの石を目の敵になさるのですか。もしや、何かやましいことでも。心をえぐるような一言だった。島本要の眼差しがまた変わった。私を見るこの目には、探るような疑いの色が宿っていた。
34:56まただ。いつも肝心な時になると、あの人は決まって私を疑う。陛下。礼儀比が妖艶に微笑みながら立ち上がり、火に油を注いだ。私はむしろ、死神殿の言葉にも一理あるかと存じますわ。皇后様は、なぜあの世に興奮なさっているのかしら。もしや、この王子は、本当に何か問題があるのではと。彼女の言葉は一滴の油、熱した鍋に落ちていく。大広間は、再び騒然となった。私はまたしても矢野も手にかかされた。今回は、
35:25一歩と、皇后の座から降りていく。大広間の中央へ、分身席の前へと、私は床に跪く。炎陽国の指針、三浦翔を見る。面白そうに見物している霊気比を見る。曲座で表情を読ませない夫を見て、笑った。悲しくも美しい、欠然とした笑みだった。吉兆が見たいのだろう、知りたいのだろう、この私、藤森美香の息子が、この天聖国の大使様にふさわしいか否かを、いいだろう、今日この場で、
35:46大広間は、水を打ったように静まり返り、全ての視線が、私が掲げた袖先に注がれた。島本かなめが、玉座から立ち上がった。その顔には初めて、驚きと戸惑いの色が浮かんでいた。藤森美香、何をする気だ。私は答えず、ただ袖の中の、天原症の次第に熱を帯びる力と、そこから伝わる、焦りと、怒りの念を感じていた。母上、俺を外に出せ。あの部隊が、俺を侮辱している。ダメだ。
36:06心の中でそれをなだめる。まだ正体を表してはダメ。でも、少し懲らしめるくらいは許してあげる。私の許しを得て、天原かけるは、嬉しそうに一声泣いた。次の瞬間、髪のように細くそれでいて、この上なく眩い金色の光が、私の袖口から勢いよく放たれた。その光は、金色の稲妻溶化し、瞬く間に粉心石を撃ち抜いた。ブン、と、鈍い唸りが響く。彼の耐えられると言われていた、
36:24火山の心臓にも頼るとされた、聖なる石が、まず光に打ち抜かれた。一点から、細い亀裂を生じさせ、そして、亀裂は蜘蛛の巣のように、石全体へと広がっていく。ついに、ウォッという鈍い音を立て、粉心石の全体が、皆が見守る中、粉々に砕け散った。黒い粉塵が舞い上がる。大広間は死んだように静まり返った。炎陽国の、四捨三浦将が、最初に我に帰り、
36:44私を指させて、恐怖に裏返った声で叫んだ。こいつは化け物だ。妖術を使うぞ。彼の叫びが静寂を打ち破り、広間は一瞬にして大混乱に陥った。客たちは四方八方へ逃げ惑い、女中や肝眼も大騒をするばかり。霊気肥は恐怖で顔面蒼白になり、悲鳴を上げて、テーブルの下に隠れた。私と島本要だけが動かずにいた。大広間の中央に私は静かに立ち尽くす。
37:01黒い粉が神や肩に降りかかるのもなすがままに、心はかつてないほど穏やかだった。バレたもうどうでもいい。もう疲れた演じるのはうんざり。ビクビクしながら生きるのはもう嫌。私は顔を上げた。島本要の視線を受け止める。その眼差しは、今まで見たこともないほど複雑な色をしていた。驚愕、恐怖、憤怒、そして、深い恐れにも似た感情。そなたは
37:05?彼がようよう、絞り出すように口を開いた。声はひどく枯れている。一体何者なのだ?
37:07私が何者か?彼を見つめ、ふっと笑みがこぼれた。私が誰かですって
37:11?陛下が一番ご存知のはずでしょう
37:27?あなたの皇后陛下、あなたが正式に迎えた妻、あなたの胸を産んだだ母親、そして、あなたに不定を働いた女。その言葉は、重い鉄椎のように、島本要の脳天を打ち据えた。彼は、よろめき一歩後ず去る。顔からさっと血の毛が引いていく。デタラメを言うな。彼が怒鳴った。私の言葉一つ一つが、刃となって、
37:51彼の心を容赦なくえぐっていく。島本優斗を抱く、その手が震え始めた。腕の中で、なおも静かな赤子を見つめ、その目に初めて恐怖の色が宿った。ありえない。彼は呟いた。チンの息子だ。あれほどチンに似ている。あなたにね。私は鼻で笑った。陛下、ただの幻術に過ぎませんわ。そう言い終えると、私が念じる。島本要の腕に抱かれていた。白く丸々とした、赤ん坊の島本優斗が、皆が見守る中、
38:11その体は透き通り、歪み始めた。そして、パンという音とともに、金色の光の粒と化し、空気の中へと消え去った。後に残されたのは、空っぽになった、キリンの刺繍が施された、ウグギだけ。島本要は呆然としていた。空になった自分の腕の中を見つめ、まるで、魂を抜かれたかのようだ。やめろ。彼は凄まじい方向を上げた。だが私は、もう彼を見ない。ゆっくりと右手を持ち上げる。全身が金色の炎に包まれ、
38:43キー!その方明は、広間にいた者たちは皆、その威圧に、地面へと抜いけられ、顔をあげる力さえなかった。ただし、間もと金目だけが、緑座の前で固く立ち尽くし、両手は、赤子を抱く形を保ったまま、顔から千の毛は完全に呉せ、瞳には呆然実質と鉄棒の色だけが浮かんでいた。天原かけるは、私の手首から羽ばたき、その金色の翼は広げると、数メートルにも及んだ。流れな輝きを放つ、
38:51羽の間で淡い金の炎が燃え、おばねは錦の織物のように垂れ下がり、頭頂の赤い飾り、バネバノを焼く炎のように広間全体を真昼のように照らし出した。
38:57それは広間の上空を旋回し、金色の瞳が人々を見下ろす。羽ばたくたびに、霊力が四方へと散っていった。
39:03先ほどまで威圧に圧倒され、震え上がっていた宮中の者たちは、不思議と心が澄み渡るのを感じ、体の疲れも大半が消え去った。
39:09炎陽国の四捨身裏昇るは地面にへたり込んでいた。ズボンの裾はとっくに冷や汗でびっしょりだ。彼は空中の神宝を見つめ、唇を震わせている。
39:10舞いなし神宝本物の神宝だ。
39:19彼はもともと国首の名で火の精霊を借りに来ていた。だが、まさか神宝本尊を怒らせてしまうとは思いもしなかったのだ。
39:24今、心にあるのは果てしない後悔だけだ。霊気比はテーブルの下で体を丸め、かつてのおごりは見る影もない。
39:32彼女はあの金色の身長を見つめ、ようやく悟った。これまでの自分の桑立てがどれほど滑稽だったかを。泣くことさえできず、ただ神宝が自分の存在を忘れてくれることだけを願っている。
39:38私はゆっくりと島本尊の前に歩み寄る。魂が抜けたような彼の様子を見ても、心に少しの満足感もなく、ただ一末の虚しさが残るだけだった。
39:45島本尊。私の声は穏やかだったが、神宝の泣き声の余韻を突き抜け、はっきりと彼の耳に届いた。君を裏切ったことなんて一度もない。
40:01天原将は、私が、とつきと丘掛けて産んだ子、天正国の吉兆であり、伝説に歌われる天正国を守護する神宝そのものだ。島本尊がゆっくりと顔を上げた、空にいる天原将を見つめ、そして私に視線を映した。その目には複雑な感情が渦巻いていた。驚きと恐怖、そして、かすかな希望も。
40:06まあ、まさか本当に神宝だと。天正国、建国の伝説にある、あの神宝が。
40:18え、私は頷いた。野村勇太はとっくに知っていたわ。あの方は私たちを守るために、自ら降格し、罰をも甘んじて受けたのよ。それに比べてあなたは、天正国の皇帝陛下でありながら、私の夫でありながら、一度だって、私を信じようとしなかった。
40:32野村勇太の名を聞き、島本かなめの体は、激しく震えた。増報格の盗難事件の不可解さを思い出し、野村勇太の上層軍も、このところの私の、数々の奇妙な行動を思い返し、一瞬にして全てを悟った。彼はよろめきながら、私の前まで来ると、私の手を握ろうと手を伸ばしてきた。その声には、懇願の色が浮かんでいた。
40:45ミカ、私が間違っていた。私が愚かだったんだ。君を疑うべきじゃなかった。許してくれ。頼むから、天原将は信奉なんだ。天正国の大使様なのだ。あの子を大使様にする。君と共に天下を治めよう。君を、永遠の皇后陛下に。
41:07私はそっと、彼の手をかわし、首を横に振った。島本金目。私が欲しかったのは、皇后陛下の地位じゃない。ましてや、共に天下を治めることでもない。欲しかったのは、ただ一つの信頼だけ。でも、あなたはそれをくれなかった。その時、天原将が突然急降下してきて、私の肩に止まった。温かい頭を私の頬にすり寄せた。金色の瞳で、島本金目を見つめ、穏やかな思念が伝わってきた。母親の方は、天正国の皇帝陛下です。天正国を守ることは、私を守ることにも繋がります。
41:30私はハッとした。天原将は万能の力を持つとはいえ、まだ生まれたばかりの神法に過ぎない。そして、この天正国には、まだ島本金目という帝王の存在が必要なのだ。島本金目を見つめる。その目には期待が満ちていた。そして深い後悔の色も、どうあれ一度は夫婦になった中、私も天正国を、この返事で混乱に陥らせたくはない。天原将は、そなたを父と認めるでしょう。私は口を開いた。声ははっきりと響いた。ただし、三つ約束していただくわ。島本金目はすぐにうなずき、慌てていった。
41:59三つどころか、三百でも鎮は受け入れよう。鎮は約束する。鎮はすべて約束する。鎮はここに誓う。この誓いに背けば、天に中され地に滅ぼされようとも、
42:11安らかな死は迎えられぬ。
42:41彼は全身が心地よくなり、心の鬱憤も大半が消え去るのを感じた。大鳥を見るその眼差しは、はじめの恐怖から、異形と慈しみの念へと変わっていた。殿内にいた者たちは皇帝陛下が跪くのを見て、次々と私と大鳥に再敬礼をした。口々に叫ぶ。皇后様英明なり、深田殿下は吉祥なり、皇帝陛下万歳万歳万歳万歳。
42:58どうかご慈悲を。大鳥は彼を一別した。ふっと一声なく、まるで詐欺すんでいるかのようだ。私は彼を見つめ、冷ややかに告げた。念化石で火の霊を借り、この世の生き物を害するとは。炎陽国はその術を廃し、未来英語を使ってはならぬ。そして毎年天正国に見継ぎ物を納め、その罪を償うのだ。もしこれに背けば、大鳥が自ら赴き思い知らせることになるだろう。
43:20あ、はい。ご命令かしこまりました。直ち日本国へ戻り、主に報告いたします。決して背くようなことはございません。三浦将は何度もうなずいた。心にあるのは安堵だけだった。命が助かっただけでも儲けものだ。事の収束を悟った霊気費も、泣きながら張ってきて、私の前に跪いた。皇后様、私が間違っておりました。あなた様を妬むべきではございませんでした。あなた様を落とし入れようと格作するなど、とんでもないことでございました。どうかこの私をお許しくださいませ。
43:44私は彼女を見つめたが、心に哀れみの不和は、一かけらもなかった。この女は、高級で波風を立て、多くの貧様たちを落とし入れてきた。小さが守ってくれなければ、私もとうにこの女の毒がにかかっていたことだろう。そなたが高級でしてきたことは、一つ残らず記録されている。私は淡々と告げた。貴妃の位を剥奪し、霊宮へ送る。生涯霊宮から一歩も出ることを許さぬ。それがそなたへの罰だ。霊気費はその場にへたり込み、もはや一言も発することができなかった。
44:01百日の祝いでの一連の騒動は、最終的に信号の降臨という気継いを持って幕を閉じた。島本かなめは、約束通りの村雄太の官職を服させた。さらには、鎮国大将軍様へと昇進させた。一方、大鳥は、大使様には立てられなかったものの、島本かなめによって法明王に報じられ、天下最高の栄誉と長愛を一心に受けている。懇念宮もまた、皇宮において最も神聖な場所となり、誰一人として、乱りに立ち入ろうとはしない。
44:24大鳥はよく黄金の鳥の姿になり、私の懐で甘えたり、また少年の姿となって、島本かなめと共に朝廷に出て政務を聞いたりもする。口は聞かないものの、いつも肝心な時には、年をもって島本かなめに示唆を与え、最も正しい決断をさせてくれる。天聖国は、神保の籠の下、天候は順調で、五穀豊穣、国境は安泰、民は安らかに暮らしている。真の太平の世となった。ある日、懇念宮の廊下に座り、少年の姿の大鳥が島本かなめと庭で豪打つのを眺めていた。
44:54かつてのような猜疑心や冷たさは、もはやどこにもない。ちさがお茶を運んできて、笑いながら言った。皇后様、ご覧ください。皇城と宝明王は、まるで本当の親子のようですわ。お茶を受け取り、一口すする。庭にいる二人の姿を見つめながら、口元に穏やかな笑みを浮かべた。かつては、あの神なる黄金の鳥を生みだあの時、私の人生は終わりだったと思っていた。だが、思いもよらなかった。この小さな黄金の鳥が、私を全く別の世界へと導いてくれるとは。
45:13神宮において、最も得難いものは真心。最も尊いものは寄り添うこと。私には、大鳥がいる。穏やかな日々がある。天正国の太平の世がある。それで十分。そしてあの、大鳥の鳴き声は、ついに宮殿を震わせ、三家を守り、私の余生をも温めてくれた。大鳥人の世に降り立ち、吉兆おのずと来たる。三家は筒がなく、歳月は安らか。これこそが最上の結末。
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